アメリカ赴任が決まったけど、準備はどうすればいいの??
この記事では、アメリカ駐在にあたってアメリカに持っていくべき日本の書類や必要な手続きを紹介します。準備は主体的に動かなければならないものばかりで、会社の事務任せにはできません。赴任直前は想像以上にめちゃくちゃバタバタしますので、早めの準備を心がけましょう。(記事は主にニューヨーク、ニュージャージーエリアに勤務する、または住む予定の方向けです)
この記事を読んでわかること
- ビザについて
- 海外赴任に必要な行政手続き
- 渡米後に必要な諸手続きの準備
- 保有有価証券・保険の手続き
- 携帯電話の準備について
ビザの取得について
アメリカで働くにはビザが必要になります。ビザの取得が赴任の準備をする上で最も重要で、かつ最大のヤマ場になります。渡航3ヶ月前までに取得完了を目指すのがおすすめです。
会社員の場合、ビザは会社の指定した代理店を通じて取得手続きを進めることが多いかと思います。業種によって取得すべきビザの種類が異なるので、基本的には代理店の指示に従って準備をします。
書類の準備はなかなか煩雑で、仕事をしながら進めるのは非常に面倒です。ただ、ビザは渡米にあたって最も重要なものですので、早め早めの行動を心がけるべきです。米国大使館または領事館での面接もあり、取得まで日数を要するので最初に着手すべきです。
ビザの取得はパスポートの保有が前提です。パスポートを持っていない、または有効期限が十分でない(赴任中に失効する、など)場合は取得・更新の手続きをまず進めてください。パスポートの取得も日数を要するので、これが遅れるとビザの取得もどんどん遅くなります。
家族連れで赴任をする場合は特に要注意です。面接は必ず、本人が行く必要があります。13歳未満の子どもは面接が免除されますが、そうでない場合は何度も面接に赴かなければならないかもしれません。面接は平日のみですので、仕事の合間を縫って面接に行くことになります。これが妻も子どもも・・・となると、面接日程を決めるのにも一苦労です。
私の場合、生まれたての子どもがおり、あちこり連れ回したくなかった(コロナ禍でもあった)ため、自分と妻の2回、大使館に行く必要がありました。
とにかく重要なのは、余裕を持って早めに取得すること!
ビザ取得の準備と面接についてはこちらの記事で詳しく書いていますので、あわせてご覧ください。
渡米後に必要な諸手続きの準備
渡米後にはいくつかの行政手続きや賃貸契約などが待ち構えています。事前に準備していけば手続きにかかる時間を短縮できます。私の失敗談も踏まえて書いているので、ぜひ参考にしてください!
日本で準備すべき書類のまとめ
- 戸籍謄本(原本)
- マイナンバー(申請して作ったカードではなく、番号通知カードでもOK)
- 雇用証明書(社名のヘッダー、会社の連絡先・住所、作成日、赴任者の氏名・生年月日・役職・入社日・年収、責任者の氏名・連絡先、サインが入っているもの)※重要なので詳しくは後述
- 国際運転免許証
- 通常の運転免許証
- 新型コロナのワクチン証明書
SSNの取得に向けて
アメリカで生活するには、SNN(ソーシャル・セキュリティー・ナンバー)の取得が必須になります。納税や社会保障などを管理する番号で、コレがなければアメリカ生活は始まりません。日本のマイナンバーに近い制度です。アメリカに到着したら、まずしなければならない手続きの一つです。銀行口座の開設時や運転免許の取得時などいろいろな場面で提出を求められます。
SSNに必要な日本の書類
- パスポート
- ビザ
- 雇用証明書
非常に重要な書類ですが、日本で用意すべき書類は多くありません。パスポートとビザは当然として、日本で追加で用意するのは雇用証明書のみです。(持ち物に雇用証明書の記載がない解説サイトもありますが、持参した方が無難です)
雇用証明書について
雇用証明書(Certificate of Employment)とは、その名の通り、会社が海外赴任者を雇用していることを証明する書類です。SNNに限らず、銀行口座の開設やアパートメント、クレジットカード(JAL、ANA)の契約時などにも必要となります。A4用紙に英語で記載します。
必要事項は、社名のヘッダー、会社の連絡先・住所、作成日、赴任者の氏名・生年月日・役職・入社日・年収、責任者の氏名・連絡先・サインなどです。注意すべきは年収です。不動産業者によれば、アパートメント(日本でいうマンション)の契約には月あたり家賃の40倍の年収がないと審査に通りにくいらしいです。ニューヨーク、ニュージャージーの日本人がよく住むエリアの家賃相場は、家族連れで大体3500ドル〜5000ドル前後くらい(高い!!)です。会社から支給される家賃手当を加味してどれくらいの家賃の家に住むか大体のアタリをつけ、その40倍以上を記載してもらいましょう。大家から会社に確認の連絡がいくようなことは基本的にないようです。年収が足りない場合は、会社が社員に支払う社会保障費など実質的に社員の利益になっている項目も年収に含めて記載することもあるみたいです。
私の雇用証明書には年収の記載がなかったので、アパートメントの契約直前になって会社の責任者に書き直してもらいました。東京と時差もあるし、余計な時間がかかってしまいました・・・
SSNの取得には、雇用証明書の他に申請書やI-94が必要ですが、これらはアメリカに到着してから用意します。
SSNの取得については、こちらで詳しく解説しています。
銀行口座の開設に向けて
会社からドル建て給与の支払いを受けるためには、アメリカの銀行口座が必須となります。口座は会社指定の金融機関で作る人がほとんどだと思います。私はシティバンクで作りました。以下は、シティバンクで口座を開設する際、日本から持参しなければならないものです。
銀行口座の開設に必要な日本の書類(とかげの場合)
- パスポート
- ビザ
- 日本の運転免許証
- 日本のマイナンバーカード(通知カードでも可)
身分を証明するため、パスポート・ビザに加えて日本の運転免許証が必要になります、持ってない場合はSNNやアパートメントの契約書でも代替可能ですが、そんなの赴任直後は手に入りません。早めに口座開設を済ませるには運転免許が必要です。
また、納税者番号として日本のマイナンバーを伝える必要があります。申請して作ったカードではなく、だいぶ前に勝手に送られてきた通知カードでもOKです。
口座開設後、一定期間が経過するとSSNを知らせるよう手紙が届くので、書いて返信すれば全て手続きは完了です。
運転免許の取得について
広大なアメリカは車が必須です。住む地域によってはなくても生活できなくはないですが、つまらない生活になります。家族連れは特に不便が多いので、特に理由がなければ取得すべきと思います。ここでは、私が住むニュージャージー州の運転免許の取得に必要で、かつ日本から持ってくるべき書類をお伝えします。
ニュージャージー州の運転免許の取得に必要な日本の書類
- 日本の運転免許
- 国際運転免許証
- 戸籍謄本
ニュージャージー州の場合、日本の運転免許を持っていれば実技試験が免除されるという極めて大きいメリット(筆記試験のみになる)があります。実技試験は、ニュージャージー州の免許を取得して3年が経過した人が同乗していないと受けられないなど、めちゃくちゃ面倒です。赴任したての日本人にはハードルが高すぎるので、ぜひ持参しましょう。有効期限が十分かどうかもみられるので、失効が近い場合は更新してから渡米してください。
国際免許も持っていれば免許センターでの書類審査が楽になります。ニュージャージー州の免許は、パスポートや公共料金の請求書、SNNなどを提示し、合計6ポイントを稼ぐ必要があります。国際免許で1点を加算できるので、書類の準備が楽になります。
日本の免許と国際免許があれば、渡米後しばらくはアメリカの免許を取得しなくても運転ができますよ
また、駐在員の妻が免許を取得する際は在米領事館で婚姻証明書を発行してもらわなければなりません。婚姻証明書の取得に戸籍謄本の原本が必要になります。注意すべきは、発行から3ヶ月以内の戸籍謄本でないといけない(在ニューヨーク領事館の場合)点です。けっこう厳しいので、戸籍謄本はなるべく(妻の)渡米ギリギリに発行してもらいましょう。
新型コロナ関連について
新型コロナ関連の決まりについては流動的ですが、アメリカでコロナワクチンを受ける場合は日本での接種歴を示す必要があります。ワクチンは無料なので、アメリカで接種したい人はコロナワクチンの接種証明書を持参しましょう。2022年11月現在ではほとんどなくなりましたが、以前はレストランや酒場に入る際に証明書を求められることがありました。
まとめ
アメリカ生活をスムーズに始めるために用意すべき日本の書類を表にまとめました。
書類 | 必要となる場面 |
---|---|
会社発行の雇用証明書 | SSN申請、アパート契約、銀行口座開設、 クレジットカード(JAL、ANA)作成など |
マイナンバーカード (通知カードでも可) | 銀行口座の開設 |
日本の運転免許証 | アメリカの運転免許証取得時 |
国際運転免許証 | アメリカの運転免許取得時 日本の免許とセットで渡米後しばらくは運転が可能に |
戸籍謄本(原本) | 駐在妻が運転免許を取得するのに必要な婚姻証明書を 在米日本領事館で発行してもらう時 |
コロナワクチンの接種証明書 | アメリカで追加接種を受けるとき 一部レストランなどで提示を求められることも |
仕事の合間を縫って準備するのは大変ですが、赴任後の手間を少なくするために頑張ってください!
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